鳥羽・旅館・かめさん  「かめさん」で毎朝獲れる新鮮な鳥羽の魚貝を思う存分召し上がれ!
漁師と海女の宿 民宿「かめさん」
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館内は、生きものの種類や生きものたちが棲息する環境に合わせ、12のゾーンに分けられています。
また、お客様に興味のあるテーマを存分にご覧いただくため、観覧順序を無くし、自由通路としました。そのため1日でも1時間でもお客様のお時間に合わせてご観覧いただけます。

全長約240m、通路全長約1.5km、室内型の水族館では世界的にも肩を並べるものが無い大きさです。人気者アシカラーズがくりひろげるゆかいな パフォーマンスです。動物と人間のコミュニケーションをテーマとしたショーをお楽しみ下さい。
パフォーマンススタジアムでは、カリフォルニアアシカやアフリカオットセイ、オタリアなどのアシカの仲間たちがキャッチボールや輪投げ、樽乗りなどなど多彩な演技を披露してくれます。
1回のショーに登場するアシカは1~2頭で、出演するチームにより演技の内容や得意種目が異なります。そのため、1日に2回以上アシカショーをご覧いただいてもお楽しみいただけることと思います。
スタジアムは、動物とお客様とのコミュニケーションをはかるため、あえて客席は800席におさえました。

●アシカショータイム(所要時間約15分)

3/21~10/31 11/1~3/20
 9:30 10:00
10:30 11:30
11:30 13:00
13:00 14:00
14:30 15:30
16:00  

*ショーの内容は、変更となる場合があります。
*混雑時は、満席となる恐れがありますので、お早めにお越し下さい。
*都合により時間を変更する場合やショーが中止となる場合があります。


切り立った断崖で、波とたわむれる海獣たち。大自然の中で力強く生きるアシカやアザラシ の仲間の生活をごらんください。
人里離れた断崖の海岸でハーレムを作って生活している、アシカやアザラシの仲間の自然な姿を表現するため、10.5m×13.5m×4.3m(水量約600トン)のプールを本物そっくりの岩で覆い、造波装置を設けて波の打ち寄せる景観を作りあげました。
このような水槽は日本で初めてのもので、波のかぶる岩の上でアシカの仲間が自由に縄張りを作ったり、波とたわむれて遊ぶ迫力ある生態を観察できます。また、1Fでは水中を優雅に泳ぐシーンも見ることができます。
■水陸両用の鰭脚類
アシカやアザラシの仲間は、鰭脚類(ひれあしるい)とよばれ、ずんぐりとした紡錘形の体に、鰭状の四肢を備えています。
この体つきは、水中生活に適応してできたものですが、繁殖時期や眠る時などかなりの時間を陸上で生活します。
なかでもアシカ科の仲間は、走ったり岩をよじ登ることさえでき、まさに水陸両用の体つきと言えるでしょう。

●アフリカオットセイ
アシカに似ていますが、鼻先がとがっているのが特徴です。アフリカのケープタウン沿岸に分布し、ほかのオットセイ類のように回遊はしません。

●ゴマフアザラシ
黒灰色の体に黒ゴマのような斑点があるところからこの名があり、英名も「スポッテッドシール」と言います。日本では北海道沿岸で見られ、生まれたばかりの赤ちゃんは白いふわふわした毛に覆われています。

●ハイイロアザラシ
イギリス本土を中心に分布するアザラシです。ゴマフアザラシに似ていますが鼻先が長いのが特徴で、少し面長な顔をしています。また、ゴマフアザラシよりも大きく、成長するとオスは3mほどになります。


*全種が展示水槽に入っていない場合もありますのでご了承下さい。

■えさの時間   10:30~   15:00~
           *時間が多少前後する場合があります。

時の流れを超えて、ひっそりとくらしてきた 「生きている化石」たち。古代の海へタイムスリップしましょう。
地球上に初めて生命が誕生してから今日まで、約25億年。生物は長い進化の歴史をたどり、数知れぬ動物達が現れては消えていきました。今ではその進化の流れも、化石でしか知ることはできません。
しかし、中には古代に出現し、その当時の原始的な姿をとどめて絶えることなく子孫を残し続けている動物もあります。それが“生きている化石”と呼ばれる仲間たちです。
さあ、時をさかのぼって古代の海へタイムトリップしてみませんか?生きている化石たちの神秘的な姿や、鳥羽水族館の調査隊が日本で初めて撮影に成功したシーラカンスの映像が時間の壁を取り去ってくれました。

大型水槽:2本(水量90トン×2)に大型のサメ、及びチョウザメの仲間を展示しています。

中型水槽:2本(水量9トン・3トン)にオウムガイの仲間、及びカブトガニを展示しています。

個水槽:5本(水量0.7トン)に肺魚などの古代魚と呼ばれる仲間を展示しています。

■シーラカンスの映像
1990年、鳥羽水族館は謎の古代魚シーラカンスの生態を解明するために、アフリカのコモロ政府と共同で調査を実施しました。
その結果、シーラカンスの飼育までにはいたらなかったものの、日本では初めて、海底でのシーラカンスの生態をビデオに収め、シーラカンスが実は深海魚ではなかったことなど、さまざまな興味深い発見をすることができました。
古代の海ゾーンでは、このときの様子を映像で展示しています。

●カブトガニ
カブトガニはカニという名前が付いていますが、クモやサソリなどに近い仲間です。現在のカブトガニ類は中生代に生存していた剣尾目の種類から、形態的にほとんど変化していません。

●チョウザメの仲間
チョウザメの仲間は原始的な魚で、分類上は軟骨魚に近い硬骨魚です。体の中央に並ぶうろこがチョウの羽のようなところからこの名が付けられました。キャビアはチョウザメの卵を加工したものです。

●オウムガイの仲間
約5億年も昔の古生代から中生代にかけて繁栄した頭足類(イカやタコの仲間)の子孫で、現代では熱帯太平洋を中心に5種2亜種が知られているにすぎません。殻の中は「セプタ」とよばれるいくつかの部屋に分かれており、ガス交換によって浮力調節を行い、吸い込んだ水をロートから吹き出して泳ぎます。


カラフルな熱帯魚たちや、ゆったりと泳ぐウミガメ。目の前に広がる色鮮やかなサンゴ礁の海を、 ダイビング気分でのぞいてみましょう。 熱帯の海に広がるサンゴ礁はまるで海の花園です。さまざまな形をした美しいサンゴが、海の中の山や谷をうめつくし、その間には色彩の豊かなサンゴ礁魚類が舞い泳いでいます。
世界初の全面ガラスの観覧ギャラリーから眺める世界最大の人工サンゴ礁で、ダイビングの感動を体験して下さい。


[コーラルリーフダイビング]
16m×15m×5.5m(容量1,320トン)の水槽に大サンゴ礁を再現し、その中に天井・正面・左右をアクリルガラスで覆われた観覧ギャラリーを設けた世界初の試みの水槽です。従来のドーム型トンネル方式の水槽にあるゆがみがなく、またリアルなサンゴ礁と組み合わせて臨場感あふれる海を再現したことにより、ダイバーでなくてもサンゴ礁のダイビング感覚が体験できます。
水槽内のサンゴは全てイミテーションで、55種約650個、総額一億円強と半年間の制作期間を費やし、観覧ギャラリーの天井側にはリーフのオーバーハングに波が砕ける様子を再現するために小型の造波装置が取り付けられています。

■サンゴ礁とサンゴ礁の魚類
サンゴは一見植物のように思えるかも知れませんが、実はサンゴ虫とよばれる小さな動物が、何万も集まって作りあげたものです。
サンゴ虫が死んだ後も骨格が残り、これらが何万年も積み重なって海中に複雑な起伏を形造りながら発達したものがサンゴ礁です。

複雑に入りくんでいるサンゴ礁は、小さな魚類の隠れ家として最適で、さまざまな生物が住みつき、また、それを餌とする大型の魚類もたくさん集まってきます。
サンゴ礁魚類の色鮮やかさには驚くばかりですが、これはあまりにも多い種類の中から仲間を識別しなければならないからだと言われています。


[個水槽:6本]
個水槽6本には、ソフトコーラルやナマコの仲間、スズメダイの仲間、など熱帯の海に棲む生きものたちを展示しています。

■ソフトコーラル
サンゴ礁を形成する造礁珊瑚は骨格を持っていますが、サンゴの仲間には骨格を持たないものもいます。これらはソフトコーラルと呼ばれています。


●クマノミとイソギンチャク
クマノミは敵に襲われるとイソギンチャクの触手の間に隠れて身を護ります。他の魚には危険な触手も、体表の粘液のおかげで刺されることはありません。

[クラゲ水槽:2本]
カラージェリーなど、暖かい海に棲むクラゲの仲間を展示しています。


日本を代表する海、暖かい黒潮の流れる熊野灘と日本最大の内湾、伊勢湾の動物を 中心に、日本の海を紹介しています。

三重県は海に沿って南北に長い県ですが、ちょうど鳥羽を境にして、北は波静かな伊勢湾、南は黒潮のぶつかる熊野灘に面しているため、さまざまな海の生きものたちを見ることができます。
その自然の一角を切り取った大水槽では大型のハタの仲間や回遊魚が泳ぎ、岩陰には小さなカニやエビが身を隠しています。日本を代表する海、それが伊勢志摩の海です。

●スナメリ Finless porpoise
ンド洋、ボルネオ海域を経て、東シナ海や日本沿岸に分布する小型歯鯨類の仲間で、体長が1.8mほどにしかならない小型の鯨で、頭が丸くクチバシと背ビレが無いのが特徴です。瀬戸内海や伊勢湾に多く生息しています。
鳥羽水族館では、現在「勇気(ゆうき)」と「窓華(まどか)」の2頭を飼育しています。

■スナメリの研究と繁殖
鳥羽水族館では1963年からその生態の研究に取り組み、世界で初めて飼育下での繁殖に成功、現在は1985年に誕生したメスの「勇気」が元気に育っています。
また、1979年に生まれたオスの「五一」は動物園水族館協会の繁殖賞を受賞し、1987年1月20日には、オスの「No.36」が長期世界新記録を更新しました。


大型水槽2本10m×6.7m×4.5m(水量約300トン)、9m×5m×2.5m(水量約115トン)にスナメリと大型近海魚を展示しています。 スナメリ水槽には予備水槽(変形5m×1.2m水量約20トン)が併設されています。 中型水槽8本(水量5トン~18トン)及び個水槽5本(水量0.7トン~3トン)に熊野灘の魚、冷たい海の生きもの、無脊椎動物などを展示しています。

■無脊椎動物(むせきついどうぶつ)
哺乳類や爬虫類、両生類、魚類など背骨を持つ生きものを脊椎動物とよぶのに対して、背骨を持たない生きものを無脊椎動物とよびます。
学術的にではありませんが、水族館で無脊椎動物というとエビやカニ、ウニ、ナマコ、イソギンチャク、貝などのことで、この「伊勢志摩の海・日本の海」ゾーンででも多数展示しています。

●フグの仲間 Globefish
体内にテトロドトキシンという猛毒をもっていますが、この毒のある部分は種類によって異なります。胃の一部が袋になっていて口から水や空気を飲み込み、風船のようにふくらんで身を守ります。

●タカアシガニ Japanese giant spider crab
世界最大のカニで、足を広げると3mを超えるものもあります。日本特産で、水温の低い水深50~200mの海底に生息しています。

●ウツボの仲間 Moray eel
昼間は岩陰などにひそんでいる事が多く、夜に活発に動く夜行性の魚です。ウツボは本州中部以南に分布しており、南日本で最もふつうに見られます。鋭い歯をもっていますが、毒はありません。

●イセエビ Spiny lobster
伊勢の特産種ではなく、主に茨城県以南から九州にかけての太平洋岸に広く分布していますが、その昔、鳥羽や志摩地方で水揚げされたものを伊勢の商人が買い取って江戸や京都に送ったためにこの名が付いたとも言われています。

熱帯雨林気候のジャングル、日本のスケールでは考えられないような大河に住む生物たちの暮らしをその環境とともに再現しました。
南米のアマゾン、東南アジアの大河、アフリカの河川・湖沼には、小さなグッピーから2mを越えるピラルクや大ナマズたちまで、そこには海に負けないほどたくさんの魚たちが暮らしています。さらには種々のカメやカエル、イルカやマナティーなど、さまざまな生きものたちが淡水の世界をつくっています。

アマゾンの魚たち(12m×5m×4m・水量240トン)ではピラルクやナマズなどの巨大な怪魚、アフリカマナティーの泳ぐ大水槽(12m×7m×3.6m・水量305トン)ではアフリカマナティーや大型ナマズの仲間などの魚類・スッポンモドキを展示、個水槽10本(水量0.7~1.5トン)では世界の熱帯に棲む淡水魚を中心に展示しています。

■アマゾンの魚たち
アマゾン河は、日本の国土の18倍という世界最大の流域面積を誇り、その魚類の豊富さは大西洋を上回るとさえいわれています。
「アマゾンの魚たち」の水槽は、熱帯の密林を流れる大河を、うっそうと繁った植物とともに切り取ってきた大水槽です。水面より上のスペースを多くとり、木や草の他、滝や朽ち果てた吊橋などを配置しています。また、ここでは熱帯雨林の気候の一日を、夜明けから夜までシミュレーションしており、霧・風・スコール・落雷・虹などが10分間隔で演出されます。

●アフリカマナティー African Manatee
アフリカのジャングルの川にすむアフリカマナティーは、ジュゴンと同じように人魚伝説のモデルとなった海牛類の仲間で、その生態は謎につつまれています。のんびりとした草食動物で、自然界ではウオーターレタスなどの水草や河岸の植物を食べていますが、鳥羽水族館では牧草、レタス、ニンジンなどを2頭で1日に合計80~100kg与えています。
鳥羽水族館のペアは現在世界で唯一飼育されているもので、ギニアビサウ国のゲバ川という遠い国からやって来たところから、メス「はるか」オス「かなた」と名付けられました。

●ピラニア
血の臭いを求めて群がり、丈夫なアゴと鋭い歯で牛や馬、時には人間まで襲うので「アマゾンの人食い魚」として恐れられています。しかし、意外に性質は臆病です。

●アホロートル
イモリの仲間マルクチサラマンダー属の幼形成熟個体(エラのある幼生のまま成熟したもの)をいいます。アホロートルとは「水に戯れる者」という意味で、有名なウーパールーパーは商品名です。


水辺にくらす、両生・爬虫類の世界です。巨大なワニガメや極彩色のヤドクガエルなど、珍しい生きものたちがいっぱいです。

ジャングルの湿地帯や池のほとり、川の岸辺はカメやカエルたちの宝庫です。あるものは木の葉の陰に隠れ、あるものは水底にひそみ、またあるものは自らの姿や色を誇示するなど珍しい生態を見せてくれます。長寿で知られるカメ、水中生活から陸上生活への進化の過程を見るような変態をするカエル、彼らは昔も今も変わることなく生き続けています。

この「森の水辺」ゾーンでは、沼の水辺を再現したテラリウム(容量14トン)で世界のカメの仲間を、個水槽14本(0.16トン~0.8トン)では世界のカエルの仲間を展示しています。
その他、大きなくちばしが特徴のオオオオハシや水辺に暮らすナンベイレンカクなどの鳥の仲間、水に棲むヘビの仲間、熱帯のカブトムシやクワガタなど、いろいろな生きものがご覧いただけます。

●カメの仲間 Turtles
カメは、外敵から身を守るため、他の動物には見られない丈夫な甲羅を身につけました。この重い甲羅のおかげで、すばやい動きや木に登ったりはできなくなりましたが、その効果は抜群で、2億年以上も昔の恐竜の時代に現れたにもかかわらず、現在も世界中に栄えています。

●ワニガメ 
北アメリカに生息する大型のカメで、甲羅がワニの背中のように見えることからこの名がつきました。大きな口を開いてミミズのように見える舌を伸ばし、小魚などをおびき寄せて食べる習性があります。

■カメの寿命
カメは、一般に長寿で知られています。最長記録はゾウガメで、飼育下での152年の記録があり、推定年齢は約200歳だったと考えられています。

●カエルの仲間 
カエルやサンショウウオなど、両生類の最も際立った特徴は、変態をすることです。
変態とは幼生から成体への成長にともなって、形態や生理などが急激に変化することで、四足動物の中では両生類だけがこれを行います。
特にカエルの仲間の変態は劇的で、オタマジャクシの間はほとんど魚類に近い生態をもっていますが、成長すると足が現れ肺呼吸をするようになり、まるで水中生活から陸上生活への進化の過程を見るようです。

■カエルの合唱
カエルは、風船のような共鳴器官を持っていて、遠くまで届く声で鳴きますが、この声は種族を明らかにするだけでなく、なわばりを誇示したり、メスを誘うなどのコミュニケーションの方法として使われています。
メスは何10種類ものカエルの中から、声だけで正しい相手をエラブことができるのです。

●ヤドクガエル 
非常に鮮やかな色彩をしたものが多い小いさなカエルで、孵化したオタマジャクシをオスが背中に乗せて運ぶ習性があります。皮膚に強い毒を持ち、土地のインディオがこの毒を矢の先につけて獲物をたおすところから、ヤドク(矢毒)と名付けられました。

●ベルツノガエル ORNATA HORNED FROG
アルゼンチン、ウルグアイ、ブラジルの一部で、乾燥地帯に生息しています。大きな口とずんぐりした体が特徴で、ペットとして人気があります。

●ミズヘビの仲間 
ミズヘビの仲間は水中での生活に適応した体や機能を持ち、熱帯から亜熱帯の池や沼、川などで暮らしています。中には、ほとんど陸に上がらないものもいます。

人魚伝説のモデルになったと言われるジュゴンを飼育展示しています。世界初の二世誕生にむけて、大きな期待が寄 せられています。
ジュゴンは、イルカやアザラシ、そして私たち人間と同じ哺乳動物の仲間で、昔から人魚伝説のモデルとして親しまれてきました。かつては大西洋を除く熱帯、亜熱帯の海に広く生息し、沖縄付近にもかなりの数がいましたが、今では日本近海などでその姿を見ることはほとんどありません。現在は生息数が減少したため国際保護動物に指定されています。

ジュゴンやマナティーは海牛類と呼ばれています。水中をゆっくりと泳ぎながらジュゴンが好物の海草を食べている様子は、まさに草原で草を食べている牛を想像させます。しかし、歯の仕組みはゾウなどに似ていて、小さな牙もはえることから、ゾウと近縁だろうと考えられています。

■ジュゴンの飼育
ジュゴンの飼育の試みは、1955年にサンフランシスコのスタインハルト水族館が、パラオ諸島で捕獲されたジュゴンを飼育したのが最初です。世界で30例以上の飼育記録がありますが、いずれも短期間の飼育に終わっていました。性質はおとなしいジュゴンですが、とても神経質で音や光に敏感なため、飼育は非常に難しいと言われています。
鳥羽水族館では1977年から、ジュゴンの飼育研究を始め、世界で唯一、ジュゴンをペアで飼育展示しています。オスの「じゅんいち」は、1990年に長期飼育世界新記録(10年10カ月)を達成し、現在でも記録を更新中です。また、1987年にはフィリピンのアキノ大統領から日比友好の印としてメスの「セレナ」がプレゼントされました。


10.0m×5.9m×3.4m(水量約200トン)と9.1m×6.1m×3.4m(水量約189トン)の2つのメイン水槽で、それぞれ「じゅんいち(オス)」と「セレナ(メス)」が飼育されています。また、将来の2世誕生に備えて、水路でつながった5.0m×4.0m×1.5m(水量約30トン)のサブ水槽が設けられています。内部は常時室温・水温共28℃に保たれ、天井には自然光を入れる採光窓があります。

■アマモ
ジュゴンは、海草のアマモを1日に数10kgも食べます。
現在、鳥羽水族館では、アマモを韓国から輸入していますが、そのエサ代は、飼育動物としては世界一高いと言われています。

●アオウミガメの「かめ吉」
メスのシュゴン「セレナ」のプールでは、アオウミガメの「かめ吉」も飼育されています。
アオウミガメは、熱帯・亜熱帯域に棲息し、ウミガメの仲間では草食性が強く、自然下では主に海草や藻類を食べますが、飼育下ではアジやイカも食べます。このゾーンでは、「セレナ」と一緒にアマモを食べる様子も観察できます。脂肪の色が青いところからアオウミガメの名前があります。

●シーグラス水槽 Seagrass Aquarium
海生哺乳動物の中では唯一の草食であるジュゴンのエサ「シーグラス(Seagrass=海草)」を生態展示したもので、ジュンイチやセレナの故郷フィリピンの彼らの餌場を再現することを目的にした横幅4mの水槽です。
本来のジュゴンのエサである6種類約700株の海草をそこに棲息する生きものとともに展示しています。


冷たい海、凍てつく湖、そして強い風。厳しい極寒の世界に生きる動物たちの環境への適応とライフスタイルを見せるゾーンです。

●ラッコ Sea Otter
ラッコは主としてクリル諸島~アリューシャン列島をへてアラスカ周辺からカリフォルニア地方に至る北米大陸の西海岸に生息する最小の海獣で、良質の毛皮のために乱獲されましたが、現在では国際的に厳しく保護されています。石で貝を割って食べる面白い習性を持つことから、「道具」を使う海の動物として知られ、おなかを上にして水面に浮かびながら餌を食べたり、毛づくろいをするユーモラスな生態が親しまれています。鳥羽水族館では1984年2月、日本で初めてラッコの赤ちゃんが誕生しました。
7.7m×6.8m×2.7m(水量約80トン、陸上部分を含む)のメイン水槽に4.6m×6.7m×1.5m(水量約30トン、陸上部分を含む)のサブ水槽が併設され、陸上部分でつながっています。病気治療や出産時は隔離することが可能です。内部は常時室温10℃以下、水温8℃に保たれています。

■寒さへの適応
1年中寒い北極や南極のまわりにも。元気にくらしている動物がいます。冷たい水、強い風、そして冬になるとはりつめる氷。厳しい環境の中ですが、ここに生きる動物たちは、それぞれの方法で、この環境に適応しています。
バイカルアザラシのこっけいなほど太った体、ラッコのすばらしい毛と、それを手入れするゆかいな仕草、びっくりするほどの大食。これらは全て、厳寒の地で生きていくために必要な工夫なのです。


●イロワケイルカ Commerson's Dolphin
南米チリのマゼラン海峡で、鳥羽水族館他の調査隊によって捕獲された小型のイルカで、平均体長約135cm、平均体重約40kgしかありません。白と黒の鮮やかな色分け模様から“パンダイルカ”の愛称があり、航行する船舶の周りに集まって波乗りしたり、ジャンプをする習性があります。水温5~12℃の冷たい海を好み、オキアミやイカ、小型の魚類などを食べています。1987年春、日本で初めて公開されました。
8.4m×6.8m×3.4m(水量約195トン)のメイン水槽に4.9m×5.0m×1.5m(水量約35トン)のサブ水槽が併設され、巾1.5mのゲートを介してつながっているため、必要に応じて分けることができます。内部は常時室温10℃以下、水温8℃に保たれています。

●バイカルアザラシ Baikal Seal
世界で最も深いバイカル湖だけに生息する淡水産の珍しい小型のアザラシで、体長約1.2m、体重60kgぐらいにしかならず、生息数が少ないため大切に保護されています。1980年8月に日ソ学術交流の一環としてモスクワ動物園から初めて鳥羽水族館に贈られてきました。
7.7m×6.9m×1.5m(水量約38トン、陸上部分を含む)のメイン水槽に柵で仕切られた3.0m×2.4m×0.6m(水量約3トン、陸上部分を含む)のサブ水槽が併設され、隣接して治療室があります。内部は常時室温10℃、水温8℃に保たれています。

●ハダカカメガイ(クリオネ)
浮遊性の腹足類(巻き貝)の仲間で、翼を振って水中を漂う優雅な姿が人気です。学名からクリオネという呼び名で親しまれています。

飛沫をあげて流れ落ちる滝、渦巻く急流。日本の川の美しさを再確認していただけるゾーンです。

■日本の川水槽
美しく豊かな川の多い日本に生まれ育った私たちにとって、川は生活に密接につながった心の故郷であるといえるでしょう。山間の渓流に跳ねる銀鱗、小川の橋から見え隠れする魚影、田んぼの用水路で見かけた水生昆虫…。釣りや食生活あるいは子供の頃の遊びなどを通して、その美しい自然と川にすむ命の多様性を学んできました。このゾーンでは、滝つぼや中流域の川岸がリアルに再現された水槽に、日本の川の生物たちが生き生きと暮らしています。

間口18.0m、奥行6.0m、高さ8.6mのスペースは、巧妙に2つに仕切られた18.0m×3.0m×1.3mの水槽(一部変形、水量約50トン)と18.0m×3.0m×7.2mの陸上部分からなり、陸上には岩や木、水辺の植物などを配して、今、急速に失われつつある日本の水辺の自然を再現しています。

川の向かいには、水生昆虫の展示コーナーや日本の水田や池にすむ生きものを展示した小川水槽が設置されており、また周辺には、水辺の植物水槽や田んぼ水槽、雑木林の昆虫を展示するコーナーなどがあり、フロア全体が日本の里山の様子を再現した展示となっています。

■水生昆虫
水生昆虫とは、少々かたくるしく定義すると、「一生のうち一時期のみでも、水中もしくは水面を生活の場とする昆虫」のことです。
具体的には、タガメやゲンゴロウのように一生を水中で生活するものはもちろん、トンボ(ヤゴ)やカ(ボウフラ)そしてカゲロウのように幼虫の時だけ水中で生活するものも水生昆虫に含まれます。意外に思われるかもしれませんが、ガやハチの仲間にも幼虫期を水中ですごす立派な水生昆虫がいます。このように様々な仲間を含む水生昆虫は、日本国内に約900種もが生息しており(このうちウミアメンボなどのごく一部の種を除きすべてが淡水産)、淡水生態系の重要な構成要素となっています。

■水辺の植物水槽(約180㎝×180㎝×H50㎝)
現在、さまざまな環境破壊の結果、本来わたしたちに身近な水辺の植物の多くが絶滅しつつあり、レッドデータに記載されている種も少なくありません。そこで、湿地や池などで見られるオモダカ、ヒルムシロ、ヒツジグサなど水辺の植物を展示しています。
また、近くには水族館で繁殖した希少種、ウシモツゴ、オヤニラミなどを展示した希少淡水魚コーナーや、オオクチバスなどの外来魚や外来水生植物を展示した外来生物のコーナーもあります。

■田んぼ水槽
水田(田んぼ)は、稲を栽培する場所ですが、たくさんの生き物たちが暮らす場所でもあります。また、周辺の用水路では子供たちが生き物を相手に遊び、自然や命を大切に思う心が育まれてきました。しかし近年、農薬の使用や水路の改修などによって生き物たちが減少しています。
このコーナーでは昔ながらの水田や用水路を再現し稲を栽培すると同時に、水田や水路で暮らす生き物を飼育展示しています。

幅約3.8m×奥行き約5m  水田:2枚(2筆)
■亜熱帯の水辺コーナー
独特な形態をしたヤシガニやマングローブ水槽で歩きながら移動する愛嬌のあるミナミトビハゼ。このコーナーでは、小笠原諸島や石垣島など日本の亜熱帯気候地域の動植物と、亜熱帯気候地域であるフロリダ地方に生息するミシシッピーワニを展示しています。

■マングローブ水槽
アジア亜熱帯地域の代表的な環境であるマングローブ帯の干潟を再現した水槽です。土の上を歩くミナミトビハゼをはじめ、カラフルなシオマネキ類、海浜植物、ヒルギなど、マングローブ干潟の生き物を展示しています。

●ヤシガニとオカヤドカリ
どちらもヤドカリの仲間で、ヤシガニはアジアの亜熱帯以南に生息する大型の陸生ヤドカリです。オカヤドカリは、珍しい陸生のヤドカリで、日本では沖縄諸島と小笠原諸島にのみ生息しています。

この他、このコーナーでは、海岸植物のアダンを食べる西表島の大型の昆虫「ツダナナフシ」などの生きものや、別名グリーンパラソル(緑の傘)とも呼ばれる巨大な葉のクワズイモをはじめ、亜熱帯地域の植物を多数展示しています。


飼育スタッフによるレクチャーや講演など、生涯学習に関する催し物が行われる教室です。
(*催しの無い日は閉鎖しています。)
*体験学習教室・アクアでは、水にすむ生きものや、水族館について様々な体験教室やレクチャー・イベント等を行っていく予定です。(開催時以外は閉鎖しております。ご了承下さい。)

■生きもん!!発見教室
「いのち」ってなぜ大切なんでしょう?頭で考えてもわからないことが、小さな生きものを手に取るだけで「ふっ」とわかったりします。「生きもん!!発見教室」は、子供たちが自分の素肌・感覚で生きものや命について感じてもらえるプログラムです。

修学旅行等・団体向けプログラムです。
予約必要。所要時間約30分。料金:\100/1名(入館料別)
▼詳しくは、お問い合せ下さい。(営業第1部TEL:0599-25-2555)


ペンギンやペリカン、カワウソなど、雄大な地球の歴史の中で進化・適応してきた水の生きものたちの多様性に注目してください。

水の生きもので最初に背骨をもった魚類、やがて空気呼吸への適応を果たし、四肢をもつ両生類や爬虫類が生まれて陸地に進出しました。
更に進化して翼を得て空を飛ぶ鳥や、胎盤による繁殖と発達した脳を獲得した哺乳類が誕生しました。
ここ、水の回廊(アクアプロムナード)では、壮大な生物の進化と適応の歴史のなかで発展してきた水の生きものたちの多様性に注目して下さい。

●モモイロペリカン Eastern White Pelican
ヨ-ロッパ南東部から西アジア、インド、アフリカなどの内陸の湖沼や河川の河口に分布する体重5~15kg、翼長3m以上になる大型の水鳥です。ペリカンの仲間の大きな特徴はのど袋のある大きなくちばしです。

●コツメカワウソ Asian(Oriental)Short-clawed otter
中国南部~インド、スリランカ、フィリピン、インドネシア、ボルネオなど東南アジアに広く分布しています。
四肢は小さく幅も狭く、爪は非常に小さく痕跡的です。指先の感覚は非常に鋭く器用です。一夫一婦制の家族を中心としたグル-プを形成します。

●ビロードカワウソ Indian Smooth-coated Otter
中国南部~インド全域、東南アジア及びスマトラ、ボルネオ、ジャワのまで広く分布し、イラク、インダス川流域にも生息しています。
四肢は大きく発達した水かきがあり、大きく頑丈な爪を持っています。一夫一婦制の家族を中心としたグル-プを形成します。

●フンボルトペンギン Humboldt Penguin
南アメリカ南部のペル-とチリの海岸、及び沿岸の島々がペル-海流に影響される地域に分布。
ペンギンの仲間はすべて南半球に分布しています。翼がヒレのように変化し、空は飛べませんが、水中を速く泳ぐことができます。